サイバーパンクって何ですか?

「本当の戦争の話をしよう」by ティム・オブライエン/村上春樹訳 読了。

5年前のお正月に買った本を部屋の整理をしていた際見つけ、読んでみました。
オブライエンさんはベトナム戦争に兵士として赴き、その時の体験をもとに作家活動を続けている方のようです。
この「本当の戦争の話をしよう」にはベトナム戦争にまつわる22の短編が収められています。
第二次世界大戦の日本人の悲劇を描いた小説は今まで読んだことがありますが、
そのどの小説にも当てはまらない世界観がこの小説にはありました。

平和で豊かな時代に育ったアメリカの若者が戦争に赴き、死と隣り合わせの中で戦いを続けていくとどうなるか、
仲の良い仲間が死んでしまったときの深い深い罪悪感とはどういうものか、
ベトナムから帰ってきた兵士が廃人のようになってしまうのは何故なのか、
自分の正義感がちっぽけでもろいものだと悟ったときの虚脱感はいかなるものか、
連帯感の中生まれる男同士の友情とは…etc

ベトナム戦争で彼が感じたありとあらゆることがこの本には書き記されていました。
多分、今の日本の若者が戦争に行ったとしたら、オブライエンさんに近いことを考えるのではないでしょうか。

村上春樹さんがあとがきで、

『この本における戦争とはいささか極端な言い方かもしれないけれど、ひとつの比喩的な装置である。
それはきわめて効率的に、きわめて狡猾に、人を傷つけ狂わせる装置である。それがオブライエンにとっては
たまたま戦争であったのだ。そういう文脈で言うなら、人は誰もが自分の中に自分なりの戦争を抱えている。
そしてある意味では誰もが本当の戦争の話を語れるはずなのだ。だから本当の戦争の話とは戦争についての話ではないのだー
それがオブライエンの言いたかったことではないだろうかと私は推測する。』

と語っています。
個人的に「村上さん、ちょっと極端かも?!」と思う反面、村上さんの言葉に共感もします。
程度は違えど日常の出来事を通じて、無力であったりズルかったり罪悪感に苛まれる自分を実感することが私にもあるからです。
でも素の自分を知って受け入れることは他人を知る上でも大切なことのように最近思います。

オブライエンさんの他の作品も近い将来読んでみたいとは思いますが、取り合えず次は楽しい本を読もうと思います。
最後に、村上春樹さんのハードボイルドな訳は個人的に良かったと思います。



BUDDHA BRAND 「DON'T TEST DA MASTER」



EAST END X YURI のPVをたまたま見つけました。ゆる過ぎで面白いです。
若かりし日の宇田丸さんも発見!


EAST END×YURI 「DA.YO.NE」